【中3数学 2次関数】動点とグラフの問題について丁寧な解説がたくさんある授業

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こんにちは、育伸開発です。

今回は2次関数・動点とグラフの問題を扱います。中2で出てくる1次関数の動点問題の続き内容で中3版になります。

多くの生徒が苦手とするものですが、中2内容・中3内容をそれぞれトレーニングしておけばクリア出来ます。

「よし、頑張ろう」

そんな気持ちをお持ちのみなさんに向けて後押しするための授業を用意しました。頑張るみなさんを応援します!

今回のダウンロード問題は全部で4問あります。数学が得意な方は先に問題を解いて、後から以下の解説授業を読んでいただいても構いません。

2次関数 動点とグラフの問題1・2問目 sizeA4.pdf (414 ダウンロード)

2次関数 動点とグラフの問題3・4問目 sizeA4.pdf (325 ダウンロード)

動点の文章問題を解く時の手順

動点の問題を解くには手順が4つあります。まずはサラッと確認しておいて下さい。具体的には問題を解いていくことで何を意味しているのかわかるようになります。

  1. xの変域を分けて表す
  2. 必要な部分の長さを文字式で表す
  3. 文字式で面積を表す
  4. 変域から座標を出してグラフにする

では模擬授業を始めます。

問題1:変域が1パターンのタイプ

先生:では授業をはじめます。気をつけ、礼。お願いします!今日は数学の2次関数の応用問題を扱っていくよ。動点の問題だ。

生徒:2次方程式のところでやったやつですよね。

先生:そうだね。あと、中2の1次関数のところでも出てきていたね。今回もじっくり解説しながら授業を進めていくからね。まず手順を4つ紹介しよう。

  1. xの変域を分けて表す
  2. 必要な部分の長さを文字式で表す
  3. 文字式で面積を表す
  4. 変域から座標を出してグラフにする

先生:この通りにやっていけば答えを出せるようになるよ。では早速問題を1つ出すから、一緒に解いて行こう。

問題1 下の図のように、AC=10cm, BC=20cm, ∠C= 90°の直角三角形ABCがあります。点PがCA上をCからAまで1㎝/秒で進みます。点Qは点Pと同時に2㎝/秒の速さで動き出し、CB上をCからBまで進みます。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△PQCの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(1) yをxの式で表しなさい(y=の式を作りなさい)。
(2) xの変域とyの変域を求めなさい。
(3) △PQCの面積が△ABCの4分の1になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

1-1:xの変域を表す

先生:そうしたら、まずxの変域を表そう。具体的には点Pと点Qが進みきるとそれ以上動けなくなるね。何秒でそうなるのか確かめてみよう。では聞くけど、点Pは何秒でAに到着する?

生徒:10秒

先生:いいね。ACの長さが10㎝になっているから、秒速1㎝の速さで進むと10秒で進みきるね。では点Qは何秒でBに到着する?

生徒:10秒

先生:ナイス!BCの長さが20㎝になっているから、秒速2㎝の速さで進むと同じく10秒で進みきるね。ということでxの変域の最大値が10(秒)とわかったね。すなわちxの変域は 0≦x≦10 ということだ。その後特に別の辺の上を移動するわけではないので、変域をいくつかに分けて考える必要無いね。今回は変域は1パターンだけで、式も1つだけになるということだ。その確認が出来たところで(1)の問題を解きに行くよ。

1-2:文字式で面積を表す

(1) yをxの式で表しなさい(y=の式を作りなさい)。

先生:そうしたら次の手順として、必要な部分を文字式で表そう。

先生:今このような図の状態だね。三角形の面積yを表すように問題で指示されているから、三角形の底辺と高さに当たる部分を文字式で表そう。そうするとx秒後のCPの長さは?

生徒:x (cm)

先生:いいね。1秒で1㎝進む速さだから秒で㎝進むことになるね。秒数と何㎝進んだかの部分が同じになるよ。そうしたらCQの長さは?

生徒:2x (cm)

先生:ナイス、正解!点Qが1秒で2㎝進む速さだから秒で2x㎝進むことになるね。秒数の2倍が何㎝進んだかになるよ。そして以下のように図の長さを表すことが出来た。

先生:そうしたら面積y をxの式で表そう。(1)の答えはどうなる?

生徒:

先生:その通り、正解。

先生:三角形の面積の公式は「底辺×高さ÷2」だ。だから底辺の2x(青)と高さのx(赤)を掛けて2で割ればいいね。÷2 の代わりに ×1/2 にしてもいいよ。では次、(2)の問題を解こう。

(2) xの変域とyの変域を求めなさい。

先生:これ、解いてみて。

先生:では答えを確認するよ。どうなった?

生徒:0≦x≦10,0≦y≦100

先生:素晴らしい、正解!xの変域はすでに最初に出していたとおりで、10秒後に点が両方とも最後まで進みきってしまうんだったね。あとはxの変域の最低値0と最大値10をさっき出した以下の式に代入しよう。

先生:そうすると、x=0の時y=0、x=10の時y=100だ。ということで(2)の答えは 0≦x≦10,0≦y≦100 だ。

1-3:面積から時間を求める

先生:次に(3)を解こう。

(3) △PQCの面積が△ABCの4分の1になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

先生:これを解いていくのだけど、まず△ABCの4分の1の面積を出しておこう。いくつになる?

生徒:25(㎠)

先生:正解!三角形の面積が20×10÷2=100(㎠)と出ているから、100を4分の1にして25(㎠)と出てくるね。そうすると(3)の問題が解けるようになった。動き出してから何秒後?

生徒:5秒後

先生:良く出来ました!今回はxとyの関係式が以下のようになっているね。

先生:今回は面積yが25(㎠)とすでに出ているから、yに25を代入して以下の方程式を解こう。

先生:これを解いてx=±5 だ。x=5というのは5秒後ということで、x=-5のほうは-5秒後ということだ。ただし-5秒後というのは問題の意図より不適格だとわかるので(5秒前ということで、まだ点が動いていないのにおかしい)、x=5 だね。すなわち答えは5秒後となる。

1-4:問題1の答え(まとめ)

まとめると問題1の答えは以下の通り。

(1)

(2) 0≦x≦10,0≦y≦100

(3) 5秒後

ダウンロードプリントの問題1と同じものを解きました。1度自分でプリントの問題1を解いて慣れておきましょう。その後以下の授業へ進んで下さい。

問題2:変域が別れるタイプ

先生:では次の問題を解いていこう。レベルアップして少し複雑になるよ。

問題2 下の図のように、1辺が4cmの正方形ABCDがあります。点Pが辺上を秒速1㎝の速さでAからD, C, Bまで進みます。点Qは点Pと同時に同じ速さで動き出し、辺AB上をAからBまで進みBで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△AQPの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(1) 点PがAD上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。
(2) 点PがDC上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。
(3) 点PがCB上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。
(4) xとyの関係を表すグラフを書きなさい。
(5) △AQPの面積が2㎠になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

2-1:AD上にある時の変域と式

先生:では(1)を解いていこう。まずは変域の確認から。xの変域はどうなる?

生徒:0≦x≦4

先生:その通り。正方形の1辺の長さが4㎝で点Pが1秒で1㎝移動するから4秒でDに到着するね。ということで最初から4秒後までの変域を表すと0≦x≦4 だ。その時のyを表した式は?

生徒:

先生:素晴らしい、正解!今回は点Pも点Qも秒速1㎝で同時に動き始めるから、x秒後の移動距離はx(㎝)になるね。以下の図の通りだ。

先生:そうすると面積yは底辺xと高さxを掛けて2で割れば出てくる。以下のように式が出てくるね。

2-2:DC上にある時の変域と式

先生:では(2)に移るよ。問題を再掲しておこう。

問題2 点Pが辺上を秒速1㎝の速さでAからD, C, Bまで進みます。点Qは点Pと同時に同じ速さで動き出し、辺AB上をAからBまで進みBで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△AQPの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(2) 点PがDC上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。

先生:今回はxの変域と式を出してもらおう。少し時間をあげるから答えを出してみて。

先生:では確認するよ。答えはどうなった?

生徒:4≦x≦8, y=8

先生:いいね、正解!

変域だけど、1辺4㎝を移動するのに秒速1㎝だと4秒かかかることがわかる。だから点が動き出してから4秒後(今回の変域の最初)に4秒を足して8秒後までの変域となる。4≦x≦8 だね。そしてこの変域の時だけど、面積が一定になるね。

先生:上の図にあるとおり、点PがDから真下に移動している間は点QがBに到着しているから止まっている。そしてずっと底辺が4㎝(青い部分)、高さも4㎝(緑の部分)で変わらないね。だから4×4÷2=8となる。面積は 8㎠ のままだとわかるんだ。ということで式は y=8 。

2-3:CB上にある時の変域と式

先生:では(3)に移るよ。問題を再掲しておこう。

問題2 点Pが辺上を秒速1㎝の速さでAからD, C, Bまで進みます。点Qは点Pと同時に同じ速さで動き出し、辺AB上をAからBまで進みBで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△AQPの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(3) 点PがCB上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。

先生:今回のは式を出すのが難しくなっているんだけど、変域と式を出しみて。少し時間をあげよう。

先生:では確認。答えは?

生徒:8≦x≦12, y=-2x+ 24

先生:おお、素晴らしい。正解!変域だけど、1辺4㎝を移動するのに4秒かかかることがわかっているね。だから点が動き出してから8秒後に4秒を足して12秒後までの変域となる。8≦x≦12 だね。そしてこの変域の時だけど、三角形の高さを出すのが難しいんだ。図を見てみよう。

先生:今点Pがぐるっと回ってきて最後の辺を左に向かって移動しているところだ。この時、三角形の底辺であるPQの長さを文字式で表したいのだけど、これが12-x(㎝)となるんだ。図からわかるかな?

生徒:わからないです。

先生:この図からだとわかりにくいね。点が辺を移動していってぐるっと回るときは、以下の図のように全体の長さから移動してきた距離を引くと出てくるよ。

先生:全体の長さとは緑の部分で、AからD,C、Q(B)までぐるっと3辺分の長さを足したものなんだ。1辺4㎝だから、3辺分の長さは12㎝になるね。そこから余計なx㎝を引くよ。

2次関数 ぐるっと回った長さからxの移動距離を引くことを説明している図

先生:緑の部分(12㎝)から赤の部分(x㎝)を引こう。そうするとPQが 12-x (㎝)と出てくるね(下の図のピンクの部分)。これで準備が整った。

先生:底辺の12-x(ピンクの部分)に高さの4(青の部分)を掛けて2で割ろう。そうするとy=4(12-x)÷2 となって、式を整えると y=-2x+ 24 だ。ということで(3)の答えが8≦x≦12, y=-2x+ 24 となる。

2-4:グラフを書く

先生:では(4)だ。問題を再掲しておこう。

問題2 点Pと点Qが動き出してからx秒後の△AQPの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(4) xとyの関係を表すグラフを書きなさい。

先生:これなんだけど、変域ごとに分けてグラフを書けばいいよ。その時に座標を先に打つとやりやすいからね。では出来る限りでいいので、グラフを作ってみて。

先生:できたかな?答えは以下の通りだ。

先生:前に中2の時にやった1次関数とグラフの問題に慣れている人はやれたかもしれないけど、初めての人には難しかっただろうね。ということで解説を入れていこう。今、(1)から(3)までの問題を解いたから、それぞれの変域に対して式がどうなっているのか全てわかっている状態だ。それをまとめると以下の通りだ。

<xの変域と関係式>

(1)0≦x≦4

xとyの関係式

(2)4≦x≦8 y=8

(3)8≦x≦12 y=-2x+24

先生:そうすると、それぞれの変域ごとにグラフを書いていこう。まず(1)の式にxの変域の最低値である0 を代入しよう。そうするとy=0 となって(0,0)を通ることがわかる。そしてxの変域の最大値であるx=4 を代入するとy=8が出てくるね。つまり(4,8)を通る放物線だとわかるよ。その2点に印をつけてグラフにしよう。念のため途中のx=2も代入してy=2、すなわち(2, 2)も印をつけておけば試験でバツにされることはないよ。

2次関数 2問目の最初の変域のグラフ先生:(2)のグラフはxの変域が 4≦x≦8 で、式が y=8 だ。xの変域の最小値4 の時の面積は8だから、(4,8)に印を打つ…というよりは、さっきの(4,8)と重なるね。もう1つはxの変域の最大値8の時の面積も8ということで(8,8)に 印を打つ。この変域では面積がずっと8で一定だから、水平な直線で結ぼう。そうすると以下のグラフが追加されるよ。

2次関数 2問目の2番目の変域を加えたグラフ先生:(3)のグラフはxの変域が 8≦x≦12 で、式が y=-2x+24 だ。xの変域の最小値8 の時の(8,8)はすでに打ってあるから最後の点を探そう。xの変域の最大値12の時、x=12を y=-2x+24に代入しよう。面積y が0になるので(12,0)に 印を打つ。y=-2x+24 の式は1次関数の直線式になっているね。だから(8,8)と(12,0)を直線で結ぼう。そして以下のグラフが追加されて完成だ。

2次関数 2問目の3番目の変域を加えたグラフ

2-5:何秒後なのかを出す

先生:(5)だ。問題を再掲しておこう。少し時間をあげるから解いてみて。

問題2 点Pと点Qが動き出してからx秒後の△AQPの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(5) △AQPの面積が2㎠になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

先生:では確認しよう。答えは?

生徒:2秒後と11秒後

先生:いいね、正解!今回のはグラフを見るとちょうど整数で答えが見つかるよ。

先生:グラフの面積2の部分(青の部分)横に右に向かって見ていこう。そうすると面積2の部分は2か所見つかるね。それを下に見ていくと、ちょうと2秒後と11秒後だと読み取れるんだ。今回はこれが早くて確実な出し方になっている。ただグラフから正確な数字を読み取れない場合、それぞれの変域の式にy=2 を代入してxの値を計算で出すようにしよう。後で出てくる問題4にそのパターンがあるよ。ということで(5)の答えは2秒後と11秒後。

2-6:問題2の答え(まとめ)

先生:まとめると問題2の答えは以下の通り。

(1) 0≦x≦4

(2) 4≦x≦8, y=8

(3) 8≦x≦12, y=-2x+ 24

(4)

(5) 2秒後, 11秒後

ダウンロードプリントの問題2と同じものを解きました。1度自分でプリントの問題2を解いて慣れておきましょう。そして以下のダウンロードプリントの問題3・問題4を解いてみましょう。解き終わったら以下の解説授業へ進んで下さい。

問題3:問題1の類題

先生:では問題3をやろう。問題3はすでに解いた問題1の類題だよ。同じパターンにしてあるから、さっき勉強したことを参考にしてね。(1)から(3)まであるので、プリントをダウンロードして解いてみて下さい。解いたら解説授業を始めるからここに戻ってきて下さいね。では始め!

問題3 下の図のように、1辺が2cmの正方形ABCDがあります。辺AD上を点Pが秒速0.5㎝の速さでAからDまで進みます。点Qは点Pと同時に同じ速さで動き出し、辺AB上をAからBまで進みます。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△AQPの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(1) yをxの式で表しなさい(y=の式を作りなさい)。
(2) xの変域とyの変域を求めなさい。
(3) △AQPの面積が正方形ABCDの2分の1になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

3-1:yを表す式

先生:では答え合わせと解説をしよう。(1)の答え何になった?

生徒:

xとyの関係式

先生:いいね、正解!1/8のところは0.125でもいいよ。以下の図のようにx秒後のAPとAQの長さが0.5xと表せるね。正方形のそれぞれの長さを文字式で表したもの

先生:そうすると面積yは底辺の0.5xと高さの0.5xを掛けてさらに×1/2をしよう。

xとyの関係式

になる。比例定数の部分だけど、1/2を3回かけることになるので1/8でも同じことだね。

3-2:xとyの変域

先生:では(2)の答えを合わせよう。「xの変域とyの変域を求めなさい」とあったけど、何になった?

生徒:0≦x≦4, 0≦y≦2

先生:その通り!まずxの変域だけと、1辺2cmを秒速0.5cmで進むとあるから、2÷0.5=4としよう。4秒で進みきるから最大値が4とわかる。そうしたらxの最大値4を(1)で出した式に代入して 1/8×16=2 と出そう。すなわちそれがyの最大値だ。ということで答えは 0≦x≦4, 0≦y≦2 。

3-3:何秒後なのかを出す

先生:では(3)について。「△AQPの面積が正方形ABCDの2分の1になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか」と聞いてあったけど、答えは?

生徒:4秒後

先生:素晴らしい、正解!面積が正方形の面積が2×2=4㎠ となっていて、その2分の1の面積は2㎠だね。ということで(1)で出した式の面積yに2を代入すると以下のようにxについての方程式が出来る。

xとyの関係式にy=2を代入したもの

先生:そうしたらこれを解いてx=±4 だ。ただしx=-4は問題の意図より不適格だね。-4秒後というのは有り得ない。すなわちx=4 となるから答えは4秒後だ。

3-4:問題3の答え(まとめ)

まとめると問題3の答えは以下の通り。

(1)

xとyの関係式

(2) 0≦x≦4, 0≦y≦2

(3) 4秒後


問題4:問題2の類題

先生:問題4だ。これは解いた問題2の類題だよ。(1)から(5)まであるので、プリントをダウンロードして解いてみて下さい。解いたら解説授業を始めるからここに戻ってきて下さいね。では始め!

問題のダウンロードを以下から行ってください。
2次関数 動点とグラフの問題3・4問目 sizeA4.pdf (325 ダウンロード)

問題4 下の図のように、縦 4cm, 横 8cmの長方形ABCDがあります。点Pが辺上を秒速2㎝の速さでCからB, A, Dまで進みます。点Qは点Pと同時に秒速1㎝の速さで動き出し、辺CD上をCからDまで進みDで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△QPCの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(1) 点PがCB上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。
(2) 点PがBA上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。
(3) 点PがAD上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。
(4) xとyの関係を表すグラフを書きなさい。
(5) △AQPの面積が6㎠になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

4-1:CB上にある時の変域と式

先生:では(1)を解いていこう。まずは変域の確認から。xの変域はどうなる?

生徒:0≦x≦4

先生:その通り。長方形の縦の長さが4㎝で点Qが1秒で1㎝移動するから4秒でDに到着するね。横の長さは8㎝で点Pが1秒で2㎝移動するから、点Qと同じ4秒でBに到着するね。ということで最初から4秒後までの変域を表すと0≦x≦4 だ。その時のyを表した式は?

生徒:

xとyの関係式

先生:ナイス、正解!以下の図のように、底辺が2x、高さがxと表すことが出来るね。

長方形のそれぞれの長さを文字式で表したもの

先生:2x(赤の部分)とx(青の部分)を掛けて更に1/2を掛けよう。計算すると式が出てきて以下が答えだ。

xとyの関係式

4-2:BA上にある時の変域と式

先生:では(2)に移るよ。問題を再掲しておこう。

問題4 点Pが辺上を秒速2㎝の速さでCからB, A, Dまで進みます。点Qは点Pと同時に秒速1㎝の速さで動き出し、辺CD上をCからDまで進みDで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△QPCの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(2) 点PがBA上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。

先生:(2)の答えは何になった?

生徒:4≦x≦6, y=16

先生:グッジョブ、正解だ。変域だけど、長方形の縦の長さ4㎝を移動するのに2秒かかかる。だから点が動き出してから4秒後(今回の変域の最初)に2秒を足して6秒後までの変域となる。8≦x≦12 だね。

長方形のそれぞれの長さを文字式で表したもの

先生:そしてこの変域の時、面積が一定になるね。上の図にあるとおり、点PがBから真上に移動している間はすでに点QがDに到着して止まっている。そしてずっと底辺が4㎝(青い部分)、高さが8㎝(ピンクの部分)で変わらないね。だから4×8÷2=16となる。面積は 16㎠ のまま一定だ。ということで式は y=16 。

4-3:AD上にある時の変域と式

先生:では(3)だ。問題を再掲しておこう。

問題4 点Pが辺上を秒速2㎝の速さでCからB, A, Dまで進みます。点Qは点Pと同時に秒速1㎝の速さで動き出し、辺CD上をCからDまで進みDで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△QPCの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(3) 点PがAD上にあるときのxの変域を求め、yをxの式で表しなさい。

先生:(3)の答えは何になった?

生徒:6≦x≦10, y=-4x+40

先生:よく出来たね、正解!変域だけど、横の長さ8㎝を移動するのに4秒かかかることがわかるね(8÷2=4)。だから点が動き出してから6秒後(変域の最初)に4秒を足して10秒後までの変域となる。6≦x≦10 だね。そしてこの変域の時だけど、三角形の高さを出すのが難しいパターンだった。以下の図を見よう。

長方形のそれぞれの長さを文字式で表したもの

先生:今点Pがぐるっと回ってきて最後の辺を右に向かって移動しているところだ。点Pが移動してきた距離が全部で 2x(cm)となっているね(赤の部分)。そして△QPCの底辺はQCで高さがPQだとしよう。この時、三角形の高さであるPQの長さを文字式で表したいのだけど、これが 20-2x(㎝)となるんだ。

先生:その出し方を説明しよう。点が辺を移動していってぐるっと回るときは、以下の図のように全体の長さから移動してきた距離を引くと出てくるのだったね。全体の長さとは緑の部分で、CからB,A、Q(D)までぐるっと3辺分の長さを足したものなんだ。3辺分の長さは8+4+8で20㎝になるね。そこから余計な2x㎝を引くよ。

2次関数 ぐるっと回った長さからxの移動距離を引くことを説明している図

先生:緑の部分(20 ㎝)から赤の部分(2x ㎝)を引こう。そうするとPQが 20-2x (㎝)と出てくるね(下の図のピンクの部分)。これで準備が整った。

先生:底辺の4(青の部分)に高さの20-2x(ピンクの部分)を掛けて2で割ろう。そうするとy=4(20-2x)÷2 となって、式を整えると y=-4x+ 40 だ。ということで(3)の答えが 6≦x≦10, y=-4x+40 となる。


4-4:グラフを書く

先生:では(4)だ。問題を再掲しておこう。

問題4 点Pが辺上を秒速2㎝の速さでCからB, A, Dまで進みます。点Qは点Pと同時に秒速1㎝の速さで動き出し、辺CD上をCからDまで進みDで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△QPCの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(4) xとyの関係を表すグラフを書きなさい。

先生:答えは以下の通りだ。

先生:では解説を入れていこう。(1)から(3)までの答えからそれぞれの変域に対して式がどうなっているのかまとめると以下の通りだ。

<xの変域と関係式>

(1)0≦x≦4

xとyの関係式

(2)4≦x≦6 y=16

(3)6≦x≦10 y=-4x+40

先生:ではそれぞれの変域ごとにグラフを書いていこう。

2次関数 最初の変域のグラフ

先生:まず(1)の式にxの変域の最低値である0 を代入、そうするとy=0だ。(0,0)を通ることがわかる。そしてxの変域の最大値であるx=4 を代入するとy=16が出て(4,16)を通る放物線だとわかる。その2点に印をつけてグラフにしよう。途中のx=2も代入してy=2、すなわち(2, 2)も印をつけておくよ。

2次関数 2番目の変域を加えたグラフ

先生:(2)のグラフはxの変域が 4≦x≦6 で、式が y=16 だ。xの変域の最小値4 の時はさっきの(4,16)と重なるのだったね。もう1つはxの変域の最大値6の時の面積も16ということで(6,16)に 印を打つ。この変域では面積がずっと16で一定だから、水平な直線で結ぼう。

2次関数 3番目の変域を加えたグラフ

先生:(3)のグラフはxの変域が 6≦x≦10 で、式が y=-4x+40 だ。xの変域の最小値6 の時の(6,16)はすでに打ってある。最後の点はxの変域の最大値12の時で、x=10を y=-4x+40に代入しよう。面積y が0になるので(10,0)に 印を打つ。y=-4x+40 の式は1次関数の直線式になっているね。だから(6,16)と(10,0)を直線で結ぼう。そして完成だ。

4-5:何秒後なのかを出す

先生:最後の(5)だ。問題を再掲しておくよ。

問題4 点Pが辺上を秒速2㎝の速さでCからB, A, Dまで進みます。点Qは点Pと同時に秒速1㎝の速さで動き出し、辺CD上をCからDまで進みDで止まります。点Pと点Qが動き出してからx秒後の△QPCの面積をy㎠ として以下の問いに答えなさい。

(5) △AQPの面積が6㎠になるのは点Pと点Qが動き出してから何秒後ですか。

先生:では確認しよう。答えは?

生徒:8.5秒後

先生:おしいね、半分正解だ。正しい答えは以下の通り。

答えはルート6秒後と8.5秒後

先生:今回のはグラフを見ると面積が 6になるときのxが2か所あることがわかる。それぞれ 2.5と8.5くらいだ。でもはっきりとはわからないね。

先生:そういうときはそれぞれの変域の式にyの値6 を代入して計算しよう。(1)の式にy=6を代入すると

xとyの関係式にy=6を代入したもの

となるね。あとはこの方程式を解いて解を出そう。

解がプラスマイナスルート6

ー√6(マイナスルート6)だけど、マイナスになっているので題意より不適格な数だ。+√6(プラスルート6)だけど、これは2.4くらいの数字だから問題ないね。答えの1つ目が出た。

先生:次に(3)の変域の式(y=-4x+40)にy=6 を代入しよう。そうすると 6=-4x+40 となって、この方程式を解くとx=8.5 と出る。分数で出した人は17/2(秒後) でもいいよ。この数は問題ないから答えの2つ目にする。ということで

答えはルート6秒後と8.5秒後

4-6:問題4の答え(まとめ)

先生:まとめると問題4の答えは以下の通り。

(1) 0≦x≦4

xとyの関係式

(2) 4≦x≦6, y=16

(3) 6≦x≦10, y=-4x+ 40

(4)

問題4のグラフの答え

(5)

答えはルート6秒後と8.5秒後

先生:これで4問全て解いたね。みんなお疲れ様でした。宿題出すよ。今日の4問を次回の授業で確認テストとして出すから解けるようにしておくこと。おしまいです。気をつけ、礼。ありがとうございました!

今回の授業はいかがでしたか。わかりにくいところがあればコメント欄を使って質問してくださいね。ではまた!

中2内容の1次関数・動点とグラフについて復習したい方は「【中2数学 1次関数 指導案】動点とグラフのわかりやすい授業」をご覧下さい。
中3内容の2次方程式・動点について復習したい方は「【中3数学・指導案】わかりやすく教える2次方程式の授業-動点」をご覧下さい。
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