【中3社会の授業例】メディアリテラシー(後編)ー発言全文公開

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こんにちは、育伸開発です。

前回の記事「【中3社会・指導案】メディアリテラシーとは(前編)―授業の例」で大臣の発言がどのような受け取られ方をするのか例を出しました。今回はその続きです。早速授業を始めてまいります。

大臣が記者の質問に答えた実際のこと

先生:では大臣の発言をノーカットで見て行こう。産経新聞のサイトがあって、そこに大臣の発言が全部載っていたんだ。ではプリント一緒に読んでいくよ。最初の発言は記者の質問だよ。そのあとのカッコの中が大臣の発言だ。

--きょう、競泳の池江選手が自らが白血病であることと、しばらく休養することを発表しました。大臣として、これについての受け止めをお願いします

「正直なところ、びっくりしましたね。聞いて。本当に。病気のことなので、早く治療に専念していただいて、一日も早く元気な姿に戻ってもらいたいというのが、私の率直な気持ちですね」

引用元:THE SANKEI NEWS『「がっかり」だけではなかった 桜田五輪相発言全文

先生:まずね、池江選手の白血病公表についてだけど、驚いたって言ってるね。その後すぐに元気になって欲しいって言ってるよね。ここではオリンピックで金メダルがどうのこうのとは一切言っていないんだ。

生徒:ほんとだー

生徒:ハゲてねーな

先生:もちろん!今日も大丈夫!

生徒:え!?

先生:ん?何でもない。次読むぞー

--競泳の中ではですね…

「本当に、そう、金メダル候補ですからねえ。日本が本当に期待している選手ですからねえ。本当にがっかりしております。やはり、早く治療に専念していただいて頑張っていただきたい。また元気な姿を見たいですよ。そうですね」

引用元:THE SANKEI NEWS『「がっかり」だけではなかった 桜田五輪相発言全文

先生:どう?まず記者が競泳についての話題を振っているんだ。がっかりしております、って言ってるけど、競泳の話を振られればそう答えるのは有りだよね。先生だって金メダル候補がオリンピック出場できなくなって日本が金メダル取れなくなれば残念に思うよ。さっき紹介した朝日新聞の記事では、池江選手の白血病の発表に対してがっかりした、と受け取るようになっていたよ。

生徒:そうだったなー

先生:まぁ、「がっかり」って言わなくて「残念だ」って言えば良かったけどね。でもすぐそのあと治療を頑張ってもらいたいって言ってるのは、金メダル取るためではなくて、元気になってもらいたいからって言ってるよね。

生徒:おー、そうだなー。

先生:でしょ。朝日新聞の記事では『日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい盛り上がりが若干、下火にならないか心配している』と書いてあった。だから読者は「このオリンピックの盛り上がりのことしか考えてないな。もっと選手のこと心配しろよ。」と思いやすい。このように読み手が大臣を悪く受け取るよう細工してあったんだ。朝日新聞は政権に批判的な立場を取る新聞社なんだけど、こういう報道をすることが多いと先生は思う。

生徒:へー

先生:では続けて読んでいこう。


--大臣はこれまで、池江選手の活躍をどのようにご覧になられてましたか

「いやあ、日本が誇るべきスポーツの選手だと思いますよね。われわれがほんとに誇りとするものなので。最近水泳が非常に盛り上がっているときでもありますし、オリンピック担当大臣としては、オリンピックで水泳の部分をね、非常に期待している部分があるんですよね。一人リードする選手がいると、みんなその人につられてね、全体が盛り上がりますからね。そういった盛り上がりがね、若干下火にならないかなと思って、ちょっと心配していますよね。ですから、われわれも一生懸命頑張って、いろんな環境整備をやりますけど。とにかく治療に専念して、元気な姿を見せていただいて、また、スポーツ界の花形として、頑張っていただきたいというのが私の考えですね」

引用元:THE SANKEI NEWS『「がっかり」だけではなかった 桜田五輪相発言全文

先生:これもどう思う?このようにね、「盛り上がりがね、若干下火にならないかなと思って、ちょっと心配しています」というのは治療を頑張って欲しい発言の直後にされたものではないんだ。

先生:あくまで池江選手を素晴らしいと言った後でのものだね。問題無いね。そりゃぁオリンピック大臣なんだからオリンピックの盛り上がりが下火になることについて心配するのは普通でしょう。

生徒:なるほどね~

先生:そうしたら、最後に大臣が言ったことを紹介するよ。

--最後に一言だけ。池江選手にエールを送るとしたらどんな言葉を

「とにかく治療を最優先にして、元気な姿を見たい。また、頑張っている姿をわれわれは期待してます、ということです」

引用元:THE SANKEI NEWS『「がっかり」だけではなかった 桜田五輪相発言全文

先生:ほら、また元気な姿を見たいとか、期待しているとか、池江選手を気遣っているよね。ここにも問題発言は無い。このように、メディアの情報って、実は本当のことでもね、切り貼りするだけで情報操作できてしまうんだ。だからみんなはさ、「この情報本当?」って疑う必要もあるんだよ。疑うことでどういう情報なのか、見きわめることができるようになるんだ。そんな見きわめ力をメディアリテラシーって言うんだ。わかった?

生徒:わかりました

先生:ナイス!では今日の授業はここまで。気を付け、礼。ありがとうございました。

いかがでしたか。メディアリテラシーって大切だと思います。他のサイトでもメディアリテラシーの大切さを述べてあります。

それにしてもメディアリテラシーって大切ですね。果たして実際はどのような数字になっているのか疑ってかかりましたが、それで正解でした。

沖縄タイムスは韓国人の旅行者が半減したことを報道して、更に旅行業者が先が見通せないと嘆いていることも伝えました。日本の規制が沖縄にとって、そして日本の経済にとって深刻なことをもたらしたかのような伝え方です。でも実際に数字を確かめてきちんと見てみるとそんなこと無いと言えたのです。

引用元:韓国による不買運動発生!輸出規制による日本のデメリット

沖縄タイムスが報道で、日本の輸出規制とそれに対する韓国の反応を報道しました。韓国で日本製品の不買運動が起こったわけですが、韓国人が沖縄への観光を止める事態となったのです。そして、韓国人の観光客が半減したと報道しました。

確かに観光客が半分になれば日本には良くないことです。心配にもなりますね。でも実は、日本国内からも含めて沖縄へ来る観光客が増えている部分もあったのでした。だから韓国人の観光客が半減しても影響は無いに等しいことがわかりました。そんなことが述べられています。

これも情報を操作して、読み手に不安感を与えるメディアの意図を感じます。やはりメディアリテラシーは大切なものです。

みなさんはどう思いましたか。参考になれば嬉しいです。

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