こんにちは、最近年をとってきて不安な日々を過ごしている育伸開発です(ふぅ~)。私もそこそこ年齢を重ねていますから、全ての細胞が若くて健康的というわけにはいかないのです。
・・・とまぁ、そのようなことはどうでもいいことなので忘れて下さいね。
今回の記事ではメディアリテラシーについて紹介します。中3公民の授業で登場してくるこの言葉ですが、うまい具合に例を出して説明するのがなかなか難しいものです。ということで模擬授業でメディアリテラシーの説明をしたいと思います。
生徒のみなさんは実際に授業を受けるつもりで読んでいって下さいね。では授業を始めます。
メディアリテラシーとは
先生:気を付け、礼。よろしくお願いします。今日の授業ではメディラリテラシーの説明をするよ。このメディアリテラシーというのはね・・・
【メディアリテラシー】
インターネットやテレビ、新聞などのメディアを使いこなし、メディアの伝える情報を理解する能力。また、メディアからの情報を見きわめる能力のこと。引用元:コトバンク「メディアリテラシー」
先生:・・・このような能力のことなんだ。これだけ言われてもなんだかよくわからないよね。別の言い方をするとね、テレビとかで放送されている内容をうのみにしないで疑ってかかると、きちんと情報を受け取ることができる、そんな見きわめ能力のことなんだ。みんなもこの見きわめ能力を身に付けてニュースを見るようにしてね。そうしたら君たちには見きわめ能力、すなわちメディアリテラシーがある、と言えるよ。
具体例は「がっかり」発言
先生:では早速具体的な例を出していくね。例としては少し前にあった桜田五輪相の「がっかり」発言だ。水泳の池江選手の病気の発表に対して言ったものなんだけど、聞いたことある?
生徒:なんかありますよ。ひどいですよね。
先生:そうそう、それ。池江選手って水泳がものすごく速くて、東京オリンピックの金メダル候補になっていたよね。その選手が白血病にかかってしまったことを発表したんだ。そのことについて、オリンピック大臣の桜田氏が「がっかり」発言をしたんだよ。そのことを例に出すんだけど、ちょっとその記事を今から配るね。朝日新聞の記事なんだけど、みんな読んでみて。記事を読んだあと感想を聞かせてね。
NHKの報道によると、桜田氏は12日、池江選手の発表を受けて「日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい。盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」などと記者団に述べた。
これに対し、辻元氏は13日、「五輪相としてはもちろん、人間としても言ってはいけない」と批判。国民民主党の原口一博国対委員長は「心ない発言で看過できない。即刻の罷免(ひめん)に値する」、共産党の穀田恵二国対委員長も「およそ論評に値しないが、桜田氏が資質を欠いていることはすでに明らかだ」と記者会見で指摘した。
引用元:朝日新聞DIGITAL『桜田五輪相、池江選手発表「がっかり」野党が罷免要求』
記事を読んでの感想は?
先生:さぁ、どう思った?
生徒:ひどい
先生:おー、そう思ったか。他には?
生徒:ハゲ
先生:え!?(ドキッ)
生徒:いや、それだけ嫌な人ってことです。
先生:あー、そうかそうか。やっぱりそう思うよね。なんといっても病気にかかった人には普通、お体大切に、とか、早くよくなりますように、って言うよね。それをがっかりって、なんんか池江選手が悪くてそのせいでがっかりしたってことになるよね。がっかりという言葉は相手が何か悪い原因を持っていて、そのせいで落ち込む時に使う言葉だからね。
先生:しかも、頑張ってもらいたいって言ってるけど、金メダルとるために頑張ってくれって感じだよね。すぐ後にオリンピックが盛り上がらない、下火にならないか心配だよって言ってるから。病気の人にメダル取るために頑張れってどうなのかね。君はどう思った?
生徒:この人マジでハゲだわ。
先生:(ドキッ)・・・まぁ落ち着いて。そんな言い方良くないよ、やめなさい。
生徒:だってヒドイでしょ、この人。
先生:あ、ヒドイって意味で使ったのね(ふぅ~)。とにかくみんな悪い印象持っているね。だから政治家も「人間としても言ってはいけない」なんて批判してるね。心無い発言なんてして大臣辞めるべきだなんて言われてる。
生徒:言われてるね。
先生:でもね、そんな印象持った人は、実は朝日新聞の罠にはまってしまったんだよ。別に朝日新聞は嘘を報道したわけではないんだけど、うまーく大臣の発言内容を切り貼りして、読者に悪い印象を持たせようとしていたんだ。君さぁ、さっき何て言ったっけ、ヒドイよね。先生に対してさ、ハ・・・
生徒:先生になんて言ってないよ。
先生:・・・まぁヒドイ人だ、なんて言ってたよね。でもね、実はこの大臣をヒドイ奴だ、とまでは言えないんだ。実は最初から最後まで池江選手をものすごく気遣っていたんだよ。ところが白血病という病気にかかったことに対して「がっかり」したという報道になってるんだ。
生徒:マジ?
先生:そう思うのは無理ないね。でも本当は違うんだよ。それを確認するために、実際に桜田大臣が、記者からどういう質問を受けてどう言ったか紹介するよ。プリント配るから一緒に見ていこう。
以下につづく
【中3社会の授業例】メディアリテラシー(後編)ー発言全文公開