こんにちは、育伸開発です。
前回の記事「【中3英語・指導案】出来るように教える分詞の授業ー現在分詞編」では、分詞のうち現在分詞の使い方について授業を行いました(このページから読み始めている方は前回の記事からお読み下さい)。今回はその続きの内容で、過去分詞について扱います。
過去分詞の授業をする上でのポイント
- 過去分詞は~edの形が基本で「~される(た)」という意味になる
- 主語が~される→主語+be動詞+~edの形にする
- ~される名詞→名詞~edの固まりの形にする
- 過去分詞が1単語だけで名詞を修飾しているときは名詞の直前に置く
今回の記事では現在分詞の文を作るところまでになっています。では模擬授業を始めます。
分詞の確認
先生:気をつけ、礼!お願いします。今日は主に過去分詞について学習していくよ。ということなんだけど、過去分詞と現在分詞について最初に確認しておこう。
先生:まず現在分詞って、最後形は何になっていたかな。
生徒:~ing
先生:いいね。その場合、どのような訳が来る?
生徒:~している
先生:正解、ナイス。そうしたら次は今日やる過去分詞の確認だ。過去分詞の最後の形は何?
生徒:~ed
先生:その通り!そしてその訳は?
生徒:~される
先生:素晴らしい!
1 現在分詞 ~ing / ~している
2 過去分詞 ~ed / ~される
先生:このようなことだったね。ちなみにbreakの過去分詞は何?
生徒:broken
先生:いいね。breakは、break – broke – broken で変化する不規則変化動詞だったね。だから過去分詞にしたときに~edが付いてないものもあったね。ちなみに broken の訳は?
生徒:壊される
先生:その通り、ナイス!更に確認するけど、壊されるのは・・・何が?
生徒:物が
先生:そう。例外もあるけど、「物が~される」んだったね。では過去分詞の内容を具体的に見ていこう。いつも通りまだノートは取らないでね。
2 過去分詞
先生:過去分詞なんだけど、これも現在分詞で学習した時のように、大きく(1)と(2)の2パターンあるよ。
(1)受動態の文
先生:まず(1)を教えていくね。
(1)受動態のパターン…訳 主語が~される / 形 主語+be動詞+~ed
先生:これも実はすでに中2で習った受動態のことだ。みんなわかってるからサラッといこう。
先生:こう例文を書いたよ。ズバリ、訳して。
生徒:そのコンピューターは彼に使われます。
先生:いいね。そのコンピューターは彼に使われます、とコンピューターが人間によって使われることを表しているね。ちなみにこの文の主語はthe computerだけど、動詞はどれ?
生徒:is
先生:そのとおり。主語の後にbe動詞が来ているんだね。しかも、be動詞とセットでusedという過去分詞が使われているね。このように…
The computer is used by him. *be動詞 + ~edがセット
先生:主語が~される、という意味の英文を作りたいときは、主語の後にbe動詞+~edをセットで持ってくる。わかった?
生徒:わかりました
先生:では次ね。(2)に行くけど、ここからがやっぱり中3で新しく学習するパターンなんだ。
(2)名詞を修飾するパターン
This is the computer used by him.
先生:この例文を書いたよ。じゃぁ確認するけど、この文の主語は何?
生徒:This
先生:そうだね。では動詞はどれ?
生徒:is
先生:ナイス!ということは、この文は「これは~です」という意味だね。
先生:更に確認するけど、この文の中に過去分詞の単語が1つあるよね。どれ?
生徒:used
先生:そうだ。ここに~edのついた形であるusedがあるからね。これが過去分詞だ。ちなみにその左側にbe動詞ある?
生徒:ない
先生:そう、ないよね。be動詞と過去分詞がセットになってないんだ。こういうときは過去分詞の固まりがすぐ左の名詞を修飾して、~される名詞、という意味になるよ。状況によって、~された名詞となる場合もあるよ。で、used by himで彼によって使われる、という過去分詞を使った言葉の固まりを作っているんだ。では…
先生:この部分だけを訳して。
生徒:彼によって使われるコンピューター
先生:すばらしい。~される名詞、と後ろから前に向かって修飾しているんだ。だから彼によって使われるコンピューター、と訳せばいいね。
彼に使われる → (その)コンピューター
先生:このように分詞の固まりが名詞の部分であるthe computerを修飾しているよ。ここで確認だけど、英語と日本語の修飾の矢印の向きはどうなってるかな。同じか逆かどっち?
生徒:逆
先生:そうだね。これも現在分詞の勉強をした時と同じで日本語と順番が逆だ、と意識しておいて。では…
先生:文全体の意味を確認しよう。訳して。
生徒:これは彼に使われるコンピューターです(これが彼によって使われるそのコンピュータなのです)。
先生:いいね。では、次ね。英語の表現を書くから日本語に訳して。
先生:訳はどうなった?
生徒:使われるコンピューター
先生:いいね。それでもいいし、使われたコンピューター、としてもいい。使われたコンピューターということは中古のコンピューターということなんだけど、どっちでもいいよ。過去分詞の時は、~された名詞という意味にもなれるんだ。
先生:さらにもう一つ注意点があったね。今回は分詞の固まりが1単語だけで名詞を修飾しているね。そのときはどこに置くことになっていた?
生徒:名詞の左
先生:そのとおりだ。だから・・・
(その)使われた→コンピューター
先生:このように日本語と英語の語順が同じになるね。ということで、ここまでの内容を一旦ノートに取ってください。
(1)受動態のパターン…訳 主語が~される / 形 主語+be動詞+~ed
The computer is used by him. *be動詞 + ~edがセット
そのコンピューターは彼に使われます。
(2)名詞を修飾するパターン…訳~される名詞 / 形 名詞 ← (修飾)~edの固まり
This is the computer ←(修飾)used by him.
これは 彼に使われる → (その)コンピューター です。
分詞が1単語で修飾するときは名詞の左に置く
日本語を英語の語句に直す練習
先生:そうしたら、ここまでの内容を練習していこう。まず日本語を英語の表現に直していくよ。いつものように後からプリントを配るから、ノートは取らないでね。
先生:これを英語になおすときは、現在分詞で習ったように修飾関係を見ればいいよ。
「~される名詞」の名詞の部分を先に英語で書く。これがポイントだったね。そうすると最初に英語で書くべきは何?
生徒:the chair
先生:いいね。そうすると
the chair
先生:the chairとなる。その後「~される(た)」と言う部分を英語になおすよ。後につけるの何?
生徒:broken by them
先生:正解。それをくっつけるんだけど、その時ってbe動詞をつける、つけないどっち?
生徒:つけない
先生:いいね。だから・・・
the chair broken by them
先生:the chair broken by themとなるよ。じゃあ、分詞1単語で修飾するパターンも作ってもらおう。(その)壊されたイス、を英語になおすと?
生徒:the broken chair
先生:その通りだ。
the broken→ chair
先生:このように分詞が1単語で名詞を修飾するときは、分詞を名詞の左に置くんだったね。よく出来ました!
英文3パターンの違いを理解する
先生:では続いて英文を見ていこう。ここでは3パターン区別をつけて正しく訳せるようにする必要があるよ。今から3パターンの英文を書くから、日本語訳を考えていてね。
The computer is used by him.
The computer used by him is new.
先生:まず一番上のは?
生徒:これは彼によって使われるコンピューターです。
先生:いいね、そのとおり。さっきやった例文そのままだ。次に真ん中のは?
生徒:そのコンピューターは彼によって使われます。
先生:その通りだ。
*be動詞と過去分詞がセット=「主語は~される」
生徒:このように、be動詞と過去分詞がセットになっているから、そのコンピューターは毎彼によって使われる、となるね。
先生:では一番下のあたまでっかち型。
先生:これを詳しく見ていこう。では確認するけど、この文の動詞ってどれ?
生徒:is
先生:そうだね。be動詞なのだからisが動詞だ。そうするとその前のThe compueter used by himの部分が主語だね。ということでここ(compueterの右側)にbe動詞ある?
生徒:無い
先生:そうだね。無いということは・・・
先生:分詞の固まりがすぐ左の名詞を修飾していることになる。この場合は主語の部分の日本語訳が、「彼によって使われるコンピューターは…」となるんだ。過去分詞の固まりと名詞が主語に来ているときは、~される主語は…と訳すんだよ。で、全体を訳すと…
先生:彼に使われるコンピューターは新しいです、となる。これが頭でっかち型だ。わかったかな?
生徒:わかりました。
先生:ナイス!
3パターンを英作できるようにする
先生:では過去分詞の最後の内容として、日本文を英文に直せるようにしていこう。日本文に合わせてノートに英文書いていって。
This ( ) the ( ) ( ) by them.
The chair ( ) ( ) by them.
The ( ) ( )by them ( ) mine.
先生:では答えあわせと解説をしよう。まず1番はどうなった?全文言って。
生徒:This is the chair broken by them.
先生:いいね。日本語で主語と動詞になるところに注目して見ると、「これは~です」となっているから、This is ~ という英文になるね。だから…
This ( is ) the …
先生:This isを最初に書く。その後に、彼らによって壊されたイス、っていう部分を英語で書くね。だから…
This ( is ) the ( chair ) ( broken ) by them.
先生:となって完成!では2番目だけど…
The chair ( ) ( ) by them.
先生:答えはどうなった?
生徒:The chair is broken by them.
先生:いいね。主語は~されます、のパターンだからThe chairの後にbe動詞と過去分詞をセットで持ってくるんだ。ということで…
The chair ( is ) ( broken ) by them.
先生:こうなるね。では…
The ( ) ( ) by them ( ) mine.
先生:3番目はどうなった?
生徒:The chair broken by them is mine.
先生:素晴らしい!「~される主語は…」という訳から頭でっかち型だとわかるね。
The ( chair ) ( broken ) by them ( is ) mine.
先生:だから先に主語の部分にThe chair broken by them を持ってきて、その後にイコールを表すbe動詞の is を持ってくればいいね。良く出来ました!
先生:ということで、みんな今回もよく頑張ったね。今例文の17番から22番まで扱ったよ。次回、13番から22番まで過去分詞の部分を確認テストするから覚えてきてね。これが今日の宿題です。ではおしまい。気を付け、礼!ありがとうございました!!
以下ダウンロードできるプリント(再掲)です。ご利用下さい。
分詞 問題 sizeA4.pdf (295 ダウンロード)分詞 解答 sizeA4.pdf (200 ダウンロード)
いかがでしたか。ここまで現在分詞と過去分詞の勉強で基本的なことはお伝えしました。この後はみなさんが使っている問題集を解いていけば更に力が付いていくでしょう。勉強や授業を頑張って下さい。
みなさんの参考になればうれしいです。ではまた!