【小6算数・指導案】「速さ」の教え方(3)-距離を求める

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こんにちは、育伸開発です。

前回「【小6算数・指導案】速さの教え方(2)ー速さを求める」で速さを求めるところまでの授業を紹介しました。今回はそのつづきで「距離」を出す内容となります。

ではいつものように授業風に進めてまいります。

掛け算をして移動距離を出す

先生:次に距離を出す問題を解けるようにしていこう。

1問目(標準問題)

問題
秒速7mの速さで4秒移動しつづけると何mの距離になりますか。

先生:これなんだけど、まずは何を探すのか確認しよう。4秒移動して何mになるのか、と聞いているね。これをいつものように書くと・・・

(一段目を空欄にしておく)
(二段目も空欄にしておく)
4秒で  

先生:こうなるね。ということはこれを出すための基準があるはずで、それは何?

生徒:秒速7m

先生:正解!これは1秒で7mということだね。

*ここでは生徒が「秒速7m」と言うか「1秒で7m」と言うか迷うと思いますが、どちらで言っても正解だと褒めてあげましょう。今回は「秒速7m」と技の下段に書いた内容である「~秒で…m」とは違う言い方で生徒が答えていますが、その場合は「これは1秒で7mということ」と先生が言い直して板書に記入しておしまいです。
1秒で7m

4秒で  

先生:そうするとこうなるね。そうしたら、両方ともどういう計算すればいい?

生徒:×4

先生:そのとおりだ。

1秒で7m
×4
4秒で  

先生:で、これは7m移動するのを4回繰り返すという意味なんだ。そうしたら答えの移動距離、何mになる?

生徒:28m

先生:ナイス、正解だ。

1秒で7m
↓×4 ↓×4
4秒で28m

先生:7mも4倍して28mだね。良く出来ました。

*多くの生徒にとってはこの1問で距離の出し方は理解出来るでしょう。理解が悪いようでしたら類題を追加しましょう。



2問目(単位換算の出るパターン)

先生:続けて距離を出す問題を出すよ。ちょっとレベルアップ!

問題
秒速2mで1分動き続けると何m移動しますか。

先生:これなんだけど、答えわかるかな?ちょっと時間あげるから、答えが何になるか考えてみて。(・・・考える時間を与えた後に)では何mかな?

生徒:2m?

先生:自信ないけどよく頑張ったね。でもこれは2mではないんだ。答えは120mだよ。なんでそうなるのか見ていこう。まず探さなければいけないのは、1分で何mかということだね。そして基準は1秒で2mだ。書くと・・・

1秒で2m

1分で  m

先生:こうなるね。ここまでいい?

生徒:はい。

先生:で、ここで注意すべきは単位だ。上のこの部分の単位が「秒」になっている。それに対してここ(下の部分)の単位は何?

生徒:分

先生:そうなんだ。ということで1秒を何倍しているのか考えるときに、1分は60秒だから「×60」と判断するよ。

1秒で2m
×60
1分60秒で  m

先生:ということで2mも×60して答えは120mとなるんだ。わかった?

生徒:わかりました!

先生:いいね。みんな優秀だ。そうしたら同じような問題をもう1問解いてみよう。単位が違う時は単位を揃えて考えるのが大切だよ。

3問目(2問目と同じパターン)

問題
分速4㎝で1時間動き続けると何㎝移動しますか。

先生:わかるかな?では聞いてみるけど、答えは何?

生徒:240㎝

先生:正解!優秀だね。

1分で4㎝

60分で ㎝

先生:1時間で何㎝移動するのかを探すわけだけど、このように1時間の部分を60分と単位換算して考えればいいね。そうすると両方「×60」をすればいいから、4×60を計算して答えは240㎝だ。よく出来ました。ではみんなが優秀なので更にレベルアップ!


4問目(単位換算を2か所するパターン)

問題
分速5mで1時間動き続けると何㎞移動しますか。

先生:これを暗算だけで処理して答えを出せたら大したものだね。きつい人はメモ計算しながら解いていいよ。ちょっと多めに時間あげるね。(・・・しばらくして)では聞いてみよう。答えは?

生徒:3㎞

先生:惜しい!答えは0.3㎞だ。ちょっと難しかったね、これは。でも3㎞が出ただけで十分行けてるよ。そうすると解説なんだけど、さっきと同じようにして1時間は60分だから・・・

1分で5m
×60
60分  

先生:こうなることがわかるね。ここまでいい?

生徒:はい

先生:今回はね、右側の部分もmと㎞とで単位が違っているんだ。ここも注意が必要だよ。そうすると、とりえあず5mも×60すると何になるかな?

生徒:300

先生:そうだ。でも単位がついてないので、つけて言い直してみて。

生徒:300m

先生:きたー!ナーイス!!その通りで、元々の単位がmだから何倍しようと何で割ろうと単位を変えてはいけなかったね。だから300mとなるんだ。これを300㎞としてはいけなかったね。よく言えたね!

*実は問題文での聞き方が「何㎞ですか」となっているので、何も考えずに計算結果の数字に「㎞」という単位を付ける生徒はたくさんいます。そのため、私は普段から単位を意識するように伝えており、ルールとして「元の単位は何倍しようと何で割ろうと変わらない」と言っています。みなさんも再現性を持った表現を用いてこのルールを生徒に定着させましょう。

先生:ということで300mと答えを書こうとするんだけど、その300mは何㎞か、と聞いているんだ。だから、ここで単位換算をして0.3㎞が答えとなるよ。(必要に応じて)ちなみに1000mで1㎞だったね。両方÷10すると100mで0.1㎞と出てくるよ。

*この問題については導入授業で扱うにはレベルが高過ぎる場合があります。レベル別のクラス分けをしている塾で下位のクラスは無理してやらずに一か所だけ単位が違っている問題まででまずは慣れさせると良いです。上位のクラスであれば、2か所単位を変換するタイプの問題を扱ってもついて来れるでしょう。状況に合わせてどこまでの難易度を授業で扱うか、どこまで丁寧に解説を入れるか決めて下さい。
*ここまででプリントの17番から20番まで解けるようになりました。
「距離」を求められるようにする授業は、「時間」や「速さ」を求められるようにする授業と順番を入れ替えても問題ありません。使用している問題集の構成や生徒状況に合わせて調整しましょう。

以下につづく

【小6算数指導案・プリント追加】「速さ」の教え方(4・完結)

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