評判を気にしないスタンスが評判を上げることにつながる進路指導(2)

スポンサーリンク

こんにちは、学習塾経営コンサルティングをしております育伸開発です。前回の記事「評判を気にしないスタンスが実は評判を上げることにつながる進路指導(1)」で、個人塾が進路指導をするときに取るといいスタンスを紹介しました。そのうち「スタンス2.チャレンジ受験を理解し大いに生徒を応援する」が重要なのですが、実際に経験したことを述べます。

一人目の例

まず一人目は、割と落ち着きがない生徒のケースです。恐らく学校では落ち着きのなさから先生に与える印象が悪いようです。学校の先生から見れば授業妨害に近いような行動・発言もあるので成績が本人の実力に対して低めでした。私立高校を第1志望にしていましたが、成績が低めなので学校の先生から絶対に受からないから受けるのやめたほうがいい、と言われていました。

結果は合格でした。

学校の先生は自分の授業がわかりやすいか、力がつきやすいかどうかに関係なくテストをすることが出来ます。そのテストも先生自身が作ったもので、その出来具合で点数順に生徒を並べて成績をつけることが出来ます。そこに授業中の意欲・関心といった状況を加味して成績をつけます。

つまり、わかりやすいよう授業を改善したりする必要はありませんし、生徒がわかっているかどうかを気にしなくても職務を遂行できるのです。そうなるとあまり生徒のことを把握しなくなってきます。その結果生徒の試験での得点力をわかっていないまま進路指導をしていたのでした。

対して塾では普段の確認テストの点数や模擬試験の結果などを見ていました。入学試験での得点力も予想した上で、受かる見込みがあると判断していました。ですから、多少チャレンジ的な要素があったにせよ、生徒が行きたい高校に合格するよう応援していたのです。

合格の報告を受けるときに「学校では散々受からないって言われたけど合格して良かった。塾はずっと受かるから頑張れって応援してくれたね。先生ありがとう」と言われました。

成績が低めでも得点力を見ての判断ですから、実はこのケースは受かる見込みが低いのにチャレンジしたとは言い切れませんね。そこで二人目のケースです。これは完全にチャレンジだと思っていました。



二人目の例

運動好きなある中3が居ました。ある公立高校を志望しており、成績・得点力ともに足りていませんでした。本人・ご家庭ともに公立高校を第1志望として希望していました。別に滑り止めの高校も確保してあります。

こういうケースでは不合格になる可能性がかなり高いことから、状況的に合格の可能性が低いことを伝えます。そうすると志望校を下げて合格率が高いところに落ち着くことが多いです。ところが状況を伝えてどうしたいか聞くと、志望校を変えずに受験したいとのことでした。

ずっと指導を続けてきた大切な生徒ですから、不合格になる姿は見たくありません。しかし、本人が受験を希望し、保護者も受けさせたいと言っていましたので、「頑張ろう、先生も応援するよ」と言って指導を続けました。

結果は合格でした。私は数百人の進路指導経験がありますし、何年もそれを行っていますので、不合格になる可能性が高い場合、まずそのまま不合格の結果が出ます。ですが、この生徒については嬉しくも予想が完全に外れて合格でした。合格したのは、中学校で運動部を3年間続けており、その部がかなり強かったからでした。その評価が通常有り得ないくらいに好評価で、成績や得点力の不利さをカバーしたからです。

この生徒について、不合格になることこちらも覚悟していましたが、全く志望校を下げるようなことは言いませんでした。そして合格発表の後に保護者の方が挨拶に来られたけですが、応援してくれてありがとうございました、と言っていただきました。

実は良い結果となることのほうが多い

他にも「一生懸命指導していただいたので、不合格になったとしても先生を感謝してましたよ」「今回不合格でしたがいい経験になりました。先生も一生懸命やってくれましたね」などと保護者の方に言われたことがあります。これが逆に「落ちるから下げたほうがいい」と言っていたら、評価も悪いものとなっていたことでしょう。そんなケースが実は結構あるのです。

結論として、進路指導のスタンスはチャレンジ受験を理解し大いに生徒を応援する(=評判は気にせずあくまで生徒のための進路指導を行う)というものが良いでしょう。みなさんの学習塾の進路指導の参考になれば幸いです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする